めまいとは? 種類と原因について
めまいとは、目が回る様な感覚がある症状の事を指しますが、一般的に立ちくらみや倒れそうになる状態です。めまいにはいくつかのパターンがあります。
回転性のめまい
しばしば「目が回る」、「天井がグルグル回る」、「フワフワする」など体のバランスを保つ平衡感覚になんらかの異常から起こります。そして耳や脳の病気が原因と考えられています。
代表的なものに「メニエール病」「良性発作性頭位めまい症」「突発性難聴」があげられます。
・メニエール病
めまいと吐き気の発作が繰り返し起こる病気です。一般的には「耳鳴り」や「難聴」をともないます。
原因は内リンパ水腫(内耳のリンパが増え、水ぶくれの状態)です。内耳には蝸牛と前庭と呼ばれる場所があり、聴覚や平衡感覚に関与しています。内耳は膜迷路と呼ばれる膜で覆われており、膜の外側と内側にはそれぞれ外リンパ液・内リンパ液と2つの水で満たされています。この内耳のリンパ液のバランスがなんらかの原因で崩れてしまい、内リンパ液が増加しすぎると、聴覚と平衡感覚に支障が出てきます。
・良性発作性頭位めまい症
めまいを感じる方の50%が、この良性発作性頭位めまい症と言われています。
原因は、長時間頭を動かさず同じ姿勢でいることです。内耳には、「聴覚」と「平衡感覚」の情報を電気信号に変えて脳に送るという働きがあります。体を動かしていないのに内耳から「動いている」という信号が送られてきたときなど、内耳からの動きを伝える信号と目や筋肉からの信号が一致しないとき、めまいが生じます。
耳鼻科では長時間のデスクワーク、低い枕で寝ている人、寝返りの回数が少ない人も、良性発作性頭位めまい症になりやすいと考えられています。
浮動性のめまい
身体がフワフワ浮いているような感覚で車酔いに似ています。
原因について
・脳の異常:脳腫瘍や脳梗塞、脳血栓といった脳血管障害(または脳血流障害)など
・自律神経の乱れ:高血圧やうつ病、ストレス、疲労、眼精疲労など
めまいの原因の多くは、「耳」か「脳」にあると考えられていますが、耳や脳に問題がなくても加齢・疲労・ストレスなどの影響でめまいが起きる可能性もあります。
失神性のめまい
立ちくらみ、目の前が真っ暗になる、血の気が引く、気が遠くなるなどと表現されるめまいで、頭からスーッと血の気が引いていくような感覚を覚えます。迷走神経反射、起立性調節障害や不整脈などの原因が考えられます。
以下のような症状がある場合は、まず専門の医療機関を受診・検査をしていただくことを推奨しております。
・物が二重に見える
・顔や手足のしびれがある
・力が入らない
・手がふるえる
・激しい頭痛や吐き気・嘔吐がある
当院での治療法
医療機関で検査をして「原因不明」「薬による治療」を行っても治らないめまいがあります。
めまいの難しいところは、本人は確かな異常を感じているのに、原因を調べてもなかなかはっきりしないという点です。めまいは、病院で「原因不明」「治りません」と言われる場合も多く、大きな不安感を伴います。これをお読みのあなたもそのお一人かもしれません。
当院では、患者さまのお身体の状態を見させていただき、一人ひとりに合わせて施術を行います。
鍼灸(はり・きゅう)
まずは頭部、首、肩周りの循環を改善し、自律神経のバランスを整えます。特に東洋医学では「肝」、「脾」、「腎」の影響が強く出ると言われていますので、ツボに刺激を入れることで内臓の活性化を促します。
めまいに効果的なツボ
「肝」に問題が起きている場合は行間、風池、太衝などが効果的です。
東洋医学では、“めまいは肝に属す”と言われております。自律神経の働きを調整して全身の血液循環もコントロールしている肝に影響があると、眼精疲労や肩こりなどにも関わってくることが多いです。特に目や神経の使いすぎ、ストレス、生活習慣の乱れからの寝不足、過労などは肝を消耗させ、脳や内耳へ十分に血液が循環しなくなり、めまいを引き起こします。
「脾」に問題がある場合:陰陵泉、豊隆、足三里、気海
”痰無くしてめまい起こらず”といわれ、主に油っこい食べ物、甘い物の食べ過ぎ、冷たい物の飲み過ぎが原因で胃腸などの消化器系の働きを弱め、胃の中で水がポチャポチャした状態になります。こういう状態を水毒といって身体の中の水分代謝が悪くなります。内耳の水ぶくれ等でめまいが起こりやすくなります。
「腎」に問題がある場合:腎兪、太渓
”腎は耳に開竅する”と言われております。”腎”は年齢と共に衰えます。腎は「発育と生殖」「水」「納気」を主る場所です。めまいの症状は身体の中の「水」の代謝が上手くいかなくなることで引き起こします。この状態を腎虚と呼んでおり、骨や歯は弱くなり、泌尿器系の問題、生殖能力も弱くなってきます。耳、髪、腰にも影響が出るので、腰痛、耳鳴りや難聴が起き易くなります。
頭蓋骨調整(クラニアルテクニック)
ストレスや自律神経が乱れることでバランスが崩れていると、脳も疲労していきます。脳疲労が続くと、交感神経と副交感神経の切り替えが上手くいかず、頭周辺の筋膜が硬くなり、頭蓋骨の動きも悪くなります。当院では頭・耳・首周辺の循環を改善し、頭蓋骨に対してソフトに触っている程度の刺激でアプローチしていきます。めまいなどの症状は「前頭骨」「側頭骨」と深く繋がっていると言われており、当院で行うクラニアルテクニックは前頭骨、側頭骨周辺に対して行います。