不妊の原因は女性だけと思われがちですが、男女両方に何かしらの原因があります。
日本は不妊大国と言われるほど、不妊症に悩まれている方が多くいらっしゃいます。実は、生殖医療において日本は世界的にみてもトップクラスの設備環境が備わっております。それなのに不妊症が多いのは何故なのか?その原因について、こちらの記事では男女別の原因について解説していきます。
このような方にオススメの記事となっております!
✅すでに妊活に取り組んでいて、なかなか思うような結果にならない
✅これから妊活に取り組む中で不妊症の原因に知りたい
✅医療機関の検査で異常を指摘されて、その原因を知りたい
opt.では、東洋医学と西洋医学の知識を組み合わせた施術方法で妊活サポートを行う鍼灸整体院です。主に自律神経のバランスを整え、生活習慣などの体質改善を行うことで妊娠力を高めることが目的としております。医療機関では相談しずらいことがございましたら、当院にお気軽にご相談ください!
男女別でみる不妊症の原因について
不妊症の原因は様々あり、1996年のWHOの調査によると女性側に原因がある場合が約41%、男性側に問題がある場合は約24%、男女両方に問題がある場合が約24%、原因不明が11%と言われています。
不妊症は長年、女性側に問題があるとされてきましたが、この調査結果の通り男女共に同じくらいの原因があることが分かってきています。下の画像は全体的な不妊症の原因とされている因子をまとめたグラフとなっております。
そのため、妊活や不妊治療においてご夫婦2人で病院に受診をすることをオススメしております。まずは正確な原因究明を行うことが大切になってきます。
妊活を行なっている夫婦で、女性側だけしか検査をしていないケースが多いです。特に妊活を始めて間もない方や検査結果によって自分のせいで妊娠できないのではと不安に感じる男性は多いのが実情です。
女性側に多い不妊症の原因
女性側に多い不妊症の原因として、卵管通過障害が約30%、排卵障害約10%、子宮内膜障害約2%、その他約7%となっております。統計データを見ると、女性側の半数は特異的な異常は見られない結果となっております。この原因は、検査結果には出てこない身体の不調や自律神経の乱れによるホルモンバランスが関わってきていると当院では考えております。
それぞれ、不妊症の原因となる疾患については下記の画像を参考に解説していきます。
⒈ 卵管に関する問題について
卵管狭窄・卵管閉鎖
卵管は子宮の左右にある卵巣と子宮をつなぐ管であり、卵子と精子が受精する大切な場所です。稀に生まれつきやクラミジア感染症などの性感染症や細菌感染によって卵管が塞がってしまったり狭くなることで、排卵された卵子と精子が出会うことが難しくな受精しずらくなることがございます。また、性感染症などの原因により卵管采周囲が腹腔に癒着することがあります。 この癒着が起こることで排卵された卵子を卵管采が拾い上げることができず、受精まで辿り着くことができないことを『ピックアップ症候群』と呼びます。
ピックアップ症候群は卵管閉塞と併せて発症しているケースが多いですが、子宮卵管造影検査で見つけることとても難しいです。 そのため腹腔鏡検査などを行い、癒着の有無を調べる必要があります。
⒉ 排卵に関する問題について
排卵障害とはなんらかの原因により卵巣からの排卵が上手くできず、月経の回数が不定期になることをいいます。この何らかの原因について、医療機関で判明する代表的な6つをご紹介していきます。
①中枢性排卵障害
脳の視床下部の働きが悪くなることでおこる排卵障害
脳にはホルモンの司令塔である『視床下部』という部分があります。 視床下部が下垂体という部分にホルモンを分泌するよう刺激を送ります。 その結果、視床下部からの指令により下垂体からFSH(卵胞刺激ホルモン)やLH(黄体形成ホルモン)を分泌されます。この下垂体から分泌されたホルモンは、卵巣へ女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンの分泌を促します。このような神経伝達物質によって脳下垂体からの指令が、卵巣まで届くことで卵胞が成長したり排卵が起こります。
しかし、ダイエットによる体重の減少や強いストレスなどが原因により、視床下部の働きにブレーキがかかり、FSHや LHの分泌が下がり排卵が起こらない場合があります。
②早期卵巣不全
通常、卵巣の機能は健康な方でも35歳ごろから徐々に低下し、45歳〜50歳ぐらいに閉経するのが自然な流れです。しかし、卵巣機能低下症の方は40歳未満で閉経状態になり排卵が起こらなくなります。これを『早期卵巣不全』といいます。
早期卵巣不全は卵巣内に残っている卵子の数が少ないため、排卵が予測し辛く妊娠まで辿り着くのに時間がかかると言われています。ホルモン検査でAMH(抗ミュラー管ホルモン)値を測ることで、 卵巣にどのくらい卵胞が残っているか調べることができます。
③多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
基本的に卵胞は月経周期に合わせて、卵巣では数十個の卵胞が成熟し始めます。その後1つだけ成熟し(主席卵胞)、その他の卵胞は消滅します。(閉鎖卵胞)
多嚢胞性卵巣症候群の場合は、男性ホルモンが通常より多く分泌されるなどの要因により卵胞の発育が抑制されるため、 沢山の卵胞が未成熟のまま存在し、排卵が起こらない状態になります。
このように卵巣内で卵胞が沢山育っている状態を『ネックレスサイン』といいます。
多嚢胞性卵巣症候群は月経不順や不正出血、無月経などを起こすため治療をしながらの、妊活を行うことが大切です。また、多嚢胞性卵胞症候群の方は食生活や生活習慣を整えることが大切になります。 特に多嚢胞性卵巣症候群の方はインスリン抵抗性があるため、 血糖値の上がりにくい食事を意識することが大切です。
④黄体化非破裂卵胞
黄体化非破裂卵胞は、 排卵期に成熟した卵胞が何らかの原因によって排卵が起こらないまま黄体化する現象です。
黄体化非破裂卵胞は誰にでも起こる可能性があり、 子宮内膜症やクラミジア、卵巣周囲の癒着、 LH(黄体形成ホルモン)の分泌低下などで引き起こされるとされています。
⑤黄体機能不全
黄体機能不全とは、高温期維持できない状態です。女性の生理周期は高温期と低温期に分かれており、それぞれホルモンの分泌量が異なります。その中でも高温期に多く分泌されるプロゲステロンが不足することが原因です。プロゲステロンは厚くなった内膜を維持し、受精卵が着床しやすい環境をつくります。 しかし、プロゲステロンが不足すると着床や妊娠維持が困難になります。
主な原因としてストレスや過度なダイエットなどのホルモンバランスの乱れや高プロラクチン血症などのなんらかの病気が原因で引き起こされる場合があります。
⑥高プロラクチン血症
プロラクチンとは『乳腺刺激ホルモン』と呼ばれ、母乳を作るために欠かすことができないホルモンで妊娠時、出産後に分泌されるホルモンです。高プロラクチン血症は出産、産後ではないのにプロラクチンが分泌される病気です。プロラクチンが分泌されると排卵が起こらなかったりや黄体機能不全による月経不順が起こり、着床や妊娠維持が難しくなります。
高プロラクチン血症の原因はストレスや下垂体の腫瘍、服用している薬の副作用で引き起こされると言われています。やはり、過度なストレスは様々な症状や病気の原因に繋がるため、生活習慣や適度な運動でストレスを発散することが大事だと気付かされますね、、
⒊ 子宮に関する問題について
❶子宮筋腫
子宮筋腫とは子宮の壁(筋層)にできる良性の腫瘍です。 一般的に子宮筋腫があるだけで不妊になることは少なく、自然妊娠は可能です。しかし、筋腫のできる位置や大きさによって不妊に繋がる場合もあります。
子宮筋腫は、 子宮の内側(粘膜下筋腫) 子宮の筋肉の中(筋層内筋腫) 子宮の外側(漿膜下筋腫) に分けられます。その中でも粘膜下筋腫などの子宮内の形を変える筋腫は不妊の原因になりうる場合があります。
❷子宮腺筋症
子宮の筋層内に子宮内膜に似た組織が作られ内膜が厚くなる良性の病気です。 病気が起こる原因について、まだはっきりと分かっていませんが女性ホルモンの作用によって進行すると言われています。しかし子宮腺筋症の方は、 着床不全や流産のリスクが高くなるという研究結果もあります。
子宮腺筋症が不妊と関係の有無は医療機関によって異なる場合があります。症状として強い月経痛や慢性腰痛、性交痛、排便痛、月経過多、不正出血などが起こります。
❸子宮形態異常
子宮形態異常は子宮の形が正常とは異なる状態を指し、女性の5%が子宮形態異常と言われています。子宮形態異常は赤ちゃんの子宮が形成される際に子宮内腔がひとつにならないことで起こる病気です。
子宮形態異常には種類があり、弓状子宮や重複子宮、単角子宮、中隔子宮、双角子宮に分けられます。
その中でも、中隔子宮(2.81倍)と双角子宮(2.40倍)の場合は着床不全や流産、早産率が高くなります。
治療法は出産までに問題がないと判断されれば無治療となることがありますが、流産を繰り返し子宮形態異常以外に不妊となる原因がなければ外科手術を行う場合もあります。特に中隔子宮に対する子宮形成術の有用性は示す報告が多いため、行われる場合があります。
自覚症状はあまりなく、様々な月経異常や月経痛、性交渉が上手くいかないなどの症状で病院に受診して分かることが多いです。
❹子宮内膜症
子宮内膜症とは≈子宮内膜の組織またはそれに似た組織がなんらかの原因で、子宮の外で増えてしまう病気です。主に20〜30代の女性に多く発症し、30〜35歳ほどがピークと言われています。
子宮内膜症は腹腔内や卵巣、ダグラス窩(子宮と直腸の間のくぼみ)、卵管、仙骨子宮靭帯(子宮を後ろから支える靭帯)、膀胱子宮窩(子宮と膀胱の間のくぼみ)などに出来やすいと言われており、 稀に肺や腸にもできることがあります。子宮内膜症は通常の子宮内膜と同じように女性ホルモンの影響で生理周期に合わせて組織が厚くなり、そして出血が起こります。しかし、子宮以外で内膜が厚くなっても、外へ血液を排出することできないため炎症が起きたり周囲の組織と癒着が起こることがあります。
子宮内膜症を引き起こすと、月経時以上にも腰痛や下腹部痛、排便痛、性交痛などがみられるのが特徴です。また、不妊の原因にもなるため早期治療が大切になります。
❺チョコレート嚢胞
チョコレート嚢胞は子宮内膜組織が卵巣内で増殖し、排出されない古い血液がチョコレートの様に卵巣内に貯まる状態を指します。チョコレート嚢胞を引き起こす子宮内膜症の原因ははっきりとわかっていませんが、女性ホルモンの影響で子宮内膜が増殖すると言われています。
チョコレート嚢胞の症状は子宮内膜症の症状とほとんど同じですが、他の部位よりも痛みが強いのが特徴です。チョコレート嚢胞の状態を放置すると卵管などで癒着が起こり、排卵がしずらくなったり精子と出会うことができず不妊の原因にも繋がります。
❻着床障害
着床障害の原因は受精卵側の問題と子宮側に問題、両方にあると考えられています。
子宮側の主な原因として、粘膜下筋腫や子宮内ポリープ、慢性子宮内膜炎などの器質的要因や子宮の形、子宮収縮異常などの影響で着床障害を引き起こします。その他にも帝王切開瘢痕症候群やアッシャーマン症候群なども着床障害を引き起こす原因になってきます。
また頚管因子も大きく関わっており、子宮頚管の狭窄や精子の頚管粘液の不適合なども不妊の原因になります。
❼免疫異常
人間は身体の中では異物が入ると免疫細胞が働き、体から追い出そうとする働きを持っています。これにより風邪やウイルスを排除し健康を維持しているのです。
一方で着床時や妊娠時は受精卵や胎児を身体の外から入ってきた異物だと攻撃しないようわざと免疫を下げる働き(免疫寛容)が作用します。
しかし、免疫寛容が働かず免疫が強く働いてしまう体質の場合もあります。これを『免疫性不妊症』と呼ばれています。
免疫が強く働いて場合は、妊娠の維持が難しいため免疫を落とす薬を飲みながら治療を行っていきます。
男性側に多い不妊症の原因
男性側に多い不妊症の原因として、造精機能障害が約83%、精管通過障害約4%、性機能障害約14%となっております。統計データを見ると、男性側の半数は造精機能障害がほとんど占めている結果となっております。この原因は、女性と同様で検査結果には出てこない身体の不調や自律神経の乱れによるホルモンバランスが関わってきていると当院では考えております。
⑴ 造精機能障害
造精機能障害は男性不妊の9割を占めていると言われるほど男性不妊の大半を占めています。
造精機能障害は染色体異常などの先天性と、精索静脈瘤など後天性があります。
後天性のものは原因がはっきりしていないことが多く、特効薬などがないため生活習慣や食生活、サプリメント、漢方を用いて治療することが多いです。精子の質が低下すると着床率や妊娠維持率に大きく影響を与え、染色体異常を起こす確率が高くなります。
造精機能が低下すると、精子の質にも影響を及ぼします。 精子の質は精液検査により精液の量、濃度、運動率、奇形率を調べることができます。
⑵ 精管通過障害
精管通過障害とは、精巣で作られている精子が射精するまでの経路になんらか問題があり、正常に射精することができない状態です。原因はさまざまありますが、 先天的に生殖器官に欠損や奇形があり、精子が出てこられない場合(先天性精路通過障害)や、 射精はするが性液が膀胱に逆流する(逆行性射精)、精巣炎、停留精巣などがあります。
治療法として、通過障害の原因を手術したり薬で治療していきます。
⑶ 性行為障害
性行為障害とは、勃起障害(ED)や射精障害などで満足に性行為ができない状態です。
勃起障害(ED)は年齢と共に上昇しますが、 喫煙や糖尿病、肥満などによる器質性EDや、 ストレスやトラウマ、タイミングを取らないと!という緊張からくる心因性ED、 降圧薬や抗うつ薬などの薬剤性EDなども原因となってきます。
射精障害は、間違ったマスターベーションや心因性の問題などにより勃起はできるが射精することが難しい状態です。 また、マスターベーションであれば射精ができるが、性行為時に射精ができない『膣内射精障害』も近年増加傾向となってきました。
原因不明の不妊症について
全体の11%の方が検査をしても問題がないが、妊娠に至らない場合があります。
この場合はさまざまな検査を行い問題を見つけたり、妊娠しやすいお身体にするため生活習慣や食生活を整え、体質改善を行うことが大切です。当院では体質改善を目的とした施術を行うことで、より自然に妊娠をしやすくするための妊活コースをご用意しております。詳しくはこちらもチェックしてみてください。
不妊治療専門の婦人科と提携
opt.では、不妊治療に特化した「Natural ART Clinic日本橋」と提携しております。寺元先生は、「鍼は不妊治療の疲れを癒すものではなく、不妊治療と並行して身体をより自然な状態に持っていくことが大切」という考え方でopt.と提携して頂きました。不妊治療でお悩みの方はぜひ、まずカウンセリングの予約をしてみてください。